学校関係者及び先生方へ特別支援教育によって、障害児教育のシステムが変わりつつある今、発達障害児を持つ親の責任はもちろんのこと、直接子どもたちの指導にあたっておられる先生方の責任もまた重くなりつつあります。 朝の8時頃から夕方の4時頃までの約8時間、我が子を実に1日の約3分の1を預けることとなる私たち保護者にとって、先生方に協力と理解をして頂くことはとても重要なことです。 LD、ADHD、高機能自閉症などがどんな障害でどう対応すべきかなどについては、本や研修等で知って頂けると思うので、ここでは私たち親が学校や先生方に対して何を望んでいるのかをなるべく端的に書こうと思います。 なお、保護者の方にも色んな考えの方がおられると思うので、”私個人からのお願い”として読んで頂いてもけっこうです。 聴いて下さい。 私たち親が何に悩み、何を望んでいるのか聴いて下さい。 先生方にとっては困難なことを言うかもしれませんが、とりあえず、私たちの気持ちをわかろう、理解しようとして下さい。 もちろん当事者である子どもたちの声にも耳を傾けて下さい。 もしかしたらそれは声にならない声かもしれません。 注意深く聴いて下さい。 まずはそこからスタートするのではないでしょうか。 固定観念を捨てて下さい。 元教師、現教師の方の中には、いまだに『ADHDは治る』と言い切る方がおられます。 確かに年齢を重ね、色んな経験をしていく中で問題行動が減っていく子もいるでしょう。 しかしそれは”治まっているように見える”だけであって、根本的な解決にはなっていないこともまた多く、本人はすごく苦しんでいる場合もあります。 発達障害は、薬を飲んだから・・・叱ったからと言って治るものではありません。だからこそ、ひとりひとりのニーズに沿った支援が必要なのです。 軽度発達障害の”軽度”とは、決して軽いことを意味してはいません。 固定観念を捨て、正面から向き合ってみてください。 情報を交換しましょう。 どういうわけか、私たち保護者へはなかなか情報が伝わってきません。 もし先生方の方で何か情報を得て、これは保護者へ伝えてもいいなと判断できたものがあれば、ぜひ教えて下さい。 今から何がどうなって行くのかがわからないことは、私たちにとって不安なことのひとつなのです。 学校内でのことは親にはなかなかわかりません。 同じように先生方には家での子どもの様子や親としての取り組み等がわかりません。 情報をお互いに交換しあうことは、とても重要なのではないでしょうか。 親を責めないで下さい。 落ち着きがない・・・突然大声を出す・・・忘れ物が多い・・・やたらトラブルを起こす・・・ これらは脳の中枢神経の機能障害によることの表れなのです。 親の躾や愛情不足によるものではありません。 保護者は子どもにどう対応して良いかわからず混乱し、子どもを責めたり、自分の育て方が間違っていたのではと思い悩んでいるケースも少なくありません。 そういう保護者をますます追い込まないで欲しいのです。 もちろん障害があるということを知っているにも関わらず、保護者がなんら問題意識も持たずに適切な治療や教育を希望しないでいるのは、無責任と言えると思います。 発達障害の特徴を知って下さい。 それぞれの障害に、どういう特徴があり、どう対応すれば良いのかを知って下さい。 一度には無理だと思いますが、特徴だけでも知っていれば、もしかしたら本人やまた家族さえも気付けないでいる障害によって苦しんでいる児童に気付くことができるかもしれません。 もし見つけることができれば早期対応もできると思います。 パンフレットなどが配布されたら目を通して下さい。 研修などに参加されたらそれを現場で活かして下さい。 職員室や図書室に、障害関係の書籍があったら、通常学級の担任であったとしても、一度手にとって見て下さい。 僕のような素人が言っても説得力がないかもしれませんが、障害児教育は教育の原点と言われています。とするならば、必ず役に立つと思います。 勇気を持って下さい。 もしかしたら・・・という子がいたら、親と話してみる勇気を持って下さい。良かれと思って話しても、逆に苦情を言われて嫌な思いをするかもしれません。でも足踏みしているうちに、手遅れになってしまうことだってあると思うのです。 わからない・・・手に負えないと感じたら、誰でもいいですから専門性のある方と相談して下さい。 外部の方でも内部の方でもいいと思います。 わからないことをわからないままにしないで下さい。 知ってるつもりでいないで下さい。 クラスだけで解決しようとするのではなく、学校全体で取り組んで下さい。 感情的にならないで下さい。 これは非常に難しいことかもしれませんが・・・ 発達障害児の中には、先生方を怒らせたりイライラさせたりする子もいると思います。。 でも、本人には全然悪気がなく、障害を持ってる為にそういう行動を取ってしまう場合だってあるのです。 先生方にとっては”困った子”に見えるかもしれませんが、実際に困っているのは子どもの方なのです。 そういう僕も我が子に対してつい感情で叱ったり、あたったりしてしまうことがあるので偉そうなことは言えませんが、もし感情が悪い方へ高まってきたら、今目の前にいる子どもをひとつの『生命』として捉えてみて下さい。 もしかしたら状況が変わるかもしれません。 最後に・・・ 私たちが危惧しているもののひとつに、二次障害があります。 非行、不登校、いじめ、家庭崩壊、ひきこもり・・・ それらを防ぐには、親だけの力では対処できません。 どうしても学校や先生方の協力が必要なのです。 そして学校と保護者、福祉、医療機関、行政等がしっかりとしたパイプで繋がっていかなければ、なかなか良い方向へと向かって行かないと思うのです。 歩けない方に車椅子が必要なように、視力が弱い方に眼鏡が必要なように、発達障害のある子どもたちにも支援が必要です。 そしてそれは、決して”特別なこと”ではありません。 目で見えにくい障害であるために具体的にどうしたらいいのかわからないことも多いと思いますが、それは親も同じなのです。 だからこそ、今みんなで真剣に取り組まなければいけない課題だと思うのです。 ジャンル別一覧
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